Right、RightB
Right関数とRightB関数は文字列の右端から指定した長さの文字列を取得します。
Right関数とRightB関数の違いは、Right関数は引数に取得する文字数を指定しますが、日本語圏の場合のRightB関数は文字数×2を指定する点です。
Shift-JISとしての全角を2バイト、半角を1バイトとして処理したい場合は「VBAでバイト単位でのLenとMidとLeftとRight」にShift-JISの感覚で使えるRight関数を紹介していますので参考にしてください。
日本語圏のRightB関数はそのままではほとんど使い物になりません。上で紹介しているような使い方に限定されます。
RightB関数はバイト単位という説明は間違い
よく、RightB関数はバイト数を指定する、という説明を目にするのですが、日本語圏での説明としては不十分です。
実際にはバイト数ではなく、引数には文字数×2を指定することになります。
これはRightB関数がShift-JIS換算のバイト数ではなく、2バイト言語ともいわれるDBCS言語のバイト数換算になっていることが原因です。
このことについては「VBAのByte単位用関数の問題点」に詳しく書いています。あなたがファイルや電文などをShift-JIS換算で判定しなければならないような場合は読んでみてください。
構文
1 2 3 4 |
Function Right(String, Length As Long) As Variant Function Right$(String As String, Length As Long) As String Function RightB(String, Length As Long) As Variant Function RightB$(String As String, Length As Long) As String |
String | 取り出す元の文字列を指定します。 |
Length As Long | Right関数の場合は文字数、RightB関数の場合は文字数×2を指定します。0未満を指定するとエラーになります。 |
戻り値 | 内部処理形式がStringのVariantの値を返します。 |
$ありと$なしの関数の両方を書いていますが通常は$なしで問題ありません。$ありなしの違いについては「VBA関数の$ドルマークの意味」を参照ください。
ワークシート関数のRightB関数との違い
ワークシート関数にもRightB関数がありますが、こちらは半角文字を1バイト、全角文字を2バイトとしてShift-JISコード体系の扱いになっています。
VBA関数のRightB関数のDBCSコード体系とは異なりますので注意が必要です。
サンプルコード
Right関数とRightB関数に偶数の4と奇数の3を指定した場合のサンプルです。RightB関数に奇数を指定すると正しく取得できないことが分かります。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 |
Sub RightTest() Dim s Dim b '// Right関数 b = "abあ1あ" s = Right(b, 4) Debug.Print "[" & s & "] " & LenB(s) & " " & Len(s) & " " & LenB(StrConv(s, vbFromUnicode)) '// RightB関数 s = RightB(b, 4) Debug.Print "[" & s & "] " & LenB(s) & " " & Len(s) & " " & LenB(StrConv(s, vbFromUnicode)) '// Shift-JISのバイト数換算のRight関数 s = StrConv(RightB(StrConv(b, vbFromUnicode), 4), vbUnicode) Debug.Print "[" & s & "] " & LenB(s) & " " & Len(s) & " " & LenB(StrConv(s, vbFromUnicode)) '// Right関数 b = "abあ1あ" s = Right(b, 3) Debug.Print "[" & s & "] " & LenB(s) & " " & Len(s) & " " & LenB(StrConv(s, vbFromUnicode)) '// --誤ったサイズ指定-- '// RightB関数 s = RightB(b, 3) Debug.Print "[" & s & "] " & LenB(s) & " " & Len(s) & " " & LenB(StrConv(s, vbFromUnicode)) '// Shift-JISのバイト数換算のRight関数 s = StrConv(RightB(StrConv(b, vbFromUnicode), 3), vbUnicode) Debug.Print "[" & s & "] " & LenB(s) & " " & Len(s) & " " & LenB(StrConv(s, vbFromUnicode)) End Sub |
実行結果
1 2 3 4 5 6 |
[bあ1あ] 8 4 6 [1あ] 4 2 3 [1あ] 6 3 4 [あ1あ] 6 3 5 [?????????? [1あ] 4 2 3 |
誤ったサイズ指定以降の行でRightB関数に対して3という数字を渡していますが、RightB関数では文字は2バイトとして扱うため3バイトと指定された場合は2文字目の半分までしか対象にならないため、実行結果が文字化けしています。